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#:001 Records Renaissance

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「めんどくさいレコード」

しかし、「モノとして価値がある」といってもレコードはめんどくさい。
集めると場所をとるし、ほこりがたまっているとクリーニングしてあげないといけない。表が終わればひっくり返さないといけないわけだし、保管の仕方もちゃんとしておかないとレコードが曲がってしまう。
でも、集める人がいる。めんどくさいを越えて買うわけだ。といっても彼らはめんどくさいなんてちっとも思っていないだろう。”欲しい”のだから。

だがこれから買う人にとっては、何か利点がないと買いづらいのも事実だ。だってターンテーブルから何まで揃えなくてはいけないのだから。

さて、レコードの一番の利点とは何かと言えば、それは”めんどくさい”ことだと思う。 ?何を言っているのだこいつ!?と、思う方もいらっしゃるかもしれないが、レコードの良さは、まさにそこに潜んでいると思う。まず現代なら曲を聴くまでに何かしらのキーワードを入れてクリックすれば、あっという間に曲を聞く事ができる。さらに関連動画と評して、サイドには関係各種の動画が並んでいるのだから、目的の音楽、その他諸々すぐに確認できる。

しかし、レコードはそんなことはできない。まず持っている事が前提であり、自分のコレクションから探さなければいけない。その間、おぼろげなタイトルを胸の内に連呼しつつ、ジャケットを頭に思い浮かべるのだ。そして見つけると、「コレコレ」と思いながらジャケットを一見し、レコードを設置する。そして針を落とすわけだ。モノ好きになればオーディオのセッティングやら何やらしてからになるが、一通りはざっとこんな感じだろう。

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さて、この間にインターネットなら何アーティストの作品を知る事ができるだろう?けっこうなアーティストを目にする事ができるはずだ。だが、レコードは1アーティストだけ。
しかも、このアーティストがその他にどんな作品があるのかさえもわからない。

しかし、こうやってレコードを探すと妙なワクワク感にかられるのだ。そして針を落とした時、「そうコレコレ」とか「あれ、これってこんなんだったっけ?」と、頭の中のその音と比べ合わせていくのだ。

つまり、このめんどくさい行程があるからこそ、レコードで聞いた音楽は体の中に色濃く残っていくのである。

音楽とは音を楽しむモノである。だからこの”ワクワク感”が最も大事で、これがあるからこそ音楽を聞きたいとゆう感情が生まれるわけだ。

ここで少し考えてもらいたい。音楽は。ある決まった時間、ある一定のリズムを刻んでいるのだ。どれだけすごい人だろうと、すごくなかろうと、ウサイン・ボルトみたいに足が速くたって、同じ曲を聴いている時間は誰もが同じだ。早送りしながら聞くなんて人はいないはず。
体感している時間は同じだが、デジタルとレコードでは同時に入ってくる情報が違う。インターネットはたくさんの情報が入ってくるが、レコードは、音楽とジャケットの裏に記載されているクレジットだけなのだ。これはものすごい違いで、音楽の入ってくる濃度が全然違う。今かかっている音楽からしか情報が入ってこないというより、それしかないのだ。

つまるところ音楽は3分の曲なら3分で、それ以上もそれ以下もなく、そこに全てがつまっている。だからこそ、その3分をどう体感するかで、音楽の残り方が全く変わってくるのだと思う。

だから1曲1アーティストごと体験できるレコードは、音楽を”聴く”上でもっとも優れたフォーマットなのである。

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