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東洋化成に行ってきました。

先日紹介させていただいたYU MAMIYA氏の”How I Write It…“前回はiTunesのみでの配信でしたが、今月17日よりアナログ7inchの販売も開始されました。

今回はそのMAMIYA氏の”How I Write It…”を実際にカッティングするところに同行させていただけたので、一部始終を御伝えします。。

4月の某日。神奈川県横浜市鶴見区にある東洋化成株式会社・末広工場に向かいました。

当初思い描いていたほど、大きくなく、キレイにまとまっているという印象でした。

カッティングルームは二部屋あり、それぞれにVMS70 GEORG NEUMANN GMBHという名のカッティングマシーンが置かれています。製造年代が違い若干操作方法も異なるようです。(マニュアルとオートマティック的な違いとおっしゃられていました。)
今回は、古い方の方がメンテナンス中だったため、少し年代が新しい側での作業。

レコードを買ってる身としては、目の前で削りだされる光景は、何とも言えない嬉しさがありました。

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こちらがVMS70 GEORG NEUMANN GMBHのカッティングマシーン部。ここで、ダブプレートが刻まれて行きます。

 

 

実際にの流れは、まずマスターテープを渡します。マスターテープは、CD-R/DATのデジタル音源、3/4インチ Uマチックテープ(家庭用のカセットテープ) 1/4 Analog Tape、Half Inch Analog Tape(オープンリール)のアナログ音源が使用可能。

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今回は、こちらからCD音源を入力。

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これがカッティング全体をコントロールしている卓台です。ここでは主に音の最終チェック。溝を掘る際に再現しにくい音はないか?レコードに掘った時にどう再現されるか?最終的な微調整をします。はっきりいって長年の勘と技術がモノをいうだけあり、どの程度調整しているのか素人目にはまったくわかりませんでした。

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何かのメーターです。なぜか少年達はこれがなにを意味するかわからなくてもドキドキしますよね。カッコいいです。

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たくさんのツマミとボタン。これもカッコいい。とにかくグリグリしてみたいです。

それからカッティングなのですが、音源をそのままカッティングするわけではなく、下の写真の機械を通しその音を掘っていくのです。

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こちらの機械が非常に重要で、VMS70 GEORG NEUMANN GMBHの一部なのですが、この機械がphonoイコライザーが必要な理由です。
「アナログレコード、音の出る仕組み」でも書かせていただいたのですが、レコードの溝は、高音が細く、低音が太くなります。
ただ針の幅、レコードの直径の関係もあり、あまり太い溝だと音を読み取る事ができなくなります。

そこで高い音を大きく、低い音を小さく音を補正してやる必要がありました。その補正をしている機械がこちらの縦長の箱でありまして、これがないとレコードをつくることができません。

ちなみに、この補正の幅はRIAA「Recording Industry Association of America(アメリカレコード工業会)」が厳密に決めており、そのおかげで世界中どこのレコードを鳴らしても、ちゃんと再生されるのです。
これが決まる前は、各社バラバラの補正だった事もあったらしく、この会社のは聞ける、聞けないなんてこともあったみたいです。

 

 
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実際にラッカー盤(溝の入っていないレコード)に、溝を掘って行きます。ワクワクします。
真ん中で円盤部にて掘られて行きます。掘る際は音も流れています。右側のモニターは溝を確認用。左側のコントロールパネルで細かい設定を行います。

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近くで見ると、レコード鳴らす時と同じように針先で音が鳴っているのが分かります。
だんだん掘られて行く光景は本当にすごい。目の前で音が鳴り、その音が盤に刻まれて行く。”アナログ”ってのをヒシヒシと感じる瞬間です。

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針の先端はエメラルドでできています。

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こちらで、針圧や溝の太さ、溝と溝の幅等、細かい設定を行います。

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顕微鏡で、溝の具合を確かめます。

 

 

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掘り上がったダブプレートをみんなで視聴します。最終チェックです。
今回はラストの方で一カ所、針飛びがありました。掘ったばかり針飛びをする場合は、左右に多くパンを振っていて、音が入れ替わっていたり、急激に高音と低音が入れ替わった際などに発生するらしいです。これを修正します。どのように修正したかはわかりませんでしたが、もう一度掘り直すと、針飛びは起こらなくなっていました。さすが職人さん、神業です。

このあとマザーレコードを作成しプレスの行程に移っていくわけです。

カッティングの合間にMAMIYA氏が今回のジャケットを見せてくれました。
ジャケットが手に取れるというのもアナログの良さの一つじゃないでしょうか?

今回もカッコいいジャケットです。

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是非とも皆さん、こちらの Yu Mamiya – “How I Write It…”はレコードにてゲットしてください!!

 

このあとプレス工場もさっと見学に行きました。

プレスをするには、まず型をつくらなくてはいけません。

型はマスター盤 → マザー盤 → スタンパーの順番で作成されます。

■マスター盤
ラッカー盤の溝に銀皮膜処理を施した後、両面それぞれ電鋳メッキという方法で型起こしされたニッケルメッキの盤がマスター盤と呼ばれます。型の溝の部分は凸になっているので、聴くことは出来ません。

■マザー盤
そのマスター盤に同様の作業を施してニッケルメッキの盤を剥離したものがマザー盤と呼ばれ、溝は凹になるので、この盤で再度音の確認をします。

■スタンパー盤
試聴検査をクリアしたマザー盤から、大量にプレスするためのスタンパー盤と呼ばれる盤を起こします。溝は再び凸になりますが、プレス作業での耐久性を考慮し、ニッケルメッキの上にクロムメッキ加工をします。

東洋化成さんのWEB SITEより引用

 

そしてスタンパーでプレスして行く訳なのですが、こちらがレコードに成る前のヴァイナル。

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写真のサイズだとだいたいLP一枚分ぐらい。
これがレコードに? なるんですね。家にあったら間違いなく捨てますよね。用途不明で。

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こんな感じで上と下をラベルで挟んで、そのままプレスされます。ですのでラベルはノリ等は一切使われていないらしいです。

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こちらはクリアヴァイナルの場合の元です。ちなみにサイズ的には7inchの量だとのこと。

 

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こちらはLPのプレス機。

 

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こちらは7inch用のプレス機。

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手前にラベルがセットされています。写真では分かりませんが、奥にプレスする場所があります。そこに上下のラベルが運ばれて、先ほどの写真のヴァイナルをプレスされます。
されたものが右側に運ばれ余分な部分をキレイにカットします。

 

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分かりにくいですが、この奥でプレス作業が行われています。

 

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このように円盤部から飛び出した部分をキレイにカットします。

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これは、カットされたヴァイナル。余ったヴァイナルは、また溶かされレコードにプレスされていきます。

7inchの場合ですとこのあと、センターに大きな穴を開けます。

その後、ジャケットに入れて商品化し完成。
これが自分が作った音ならワクワクしてしょうがないでしょう。

実際に個人でレコードまで作るという方は中々いないでしょうが、東洋化成さんでは個人からの発注も受けています。
ダブプレートなら一枚からでも作る事が可能ですので、自分で作った音をモノとして残してみるのも粋ではないでしょうか?

東洋化成
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