akira

AKIRA O.S.T 芸能山城組 

第3次世界大戦勃発後の2019年。東京湾に建設された「ネオ東京」。2020年東京オリンピックに向けて再建設が進むさなか、主人公「金田」を中心に第三次世界大戦を起こしたきっかけとなる超能力少年「AKIRA」を巡るストーリー。

荒廃した近未来巨大高層都市の世界観、ハリウッド映画をも彷彿させるカメラワーク、大友克之の緻密で繊細な描写が超能力に異常なリアリティを与えたこともあり、人気が沸騰。1988年にはアニメ化されたことにより世界中でその人気を不動のものにした。

読み始めは、暴走族との抗争やトモダチの「鉄男」がアーミーに連れて行かれて帰って来なかったり、番号で呼ばれる気持ち悪い少年達など、「金田」と共に全く何の事かわからないまま突き進んでいくのだが、気がついたときには完全に世界観、ストーリーにどっぷりはまり込み「金田」目線で「AKIRA」を追いかけてしまう。非常にワクワクする展開だ。

近未来的世界観、超能力、それらにリアリティを持たせる画力、ストーリー、大友さん特異のキャラクターなど、どれをとってもパーフェクトなのだが、(しいて文句をつけるといえば女性キャラにセクシーさがないというぐらいだが)特に世界的人気をつけた要因と言えるのが、アニメ版でのサウンドではないだろうか!!

あの「AKIRA」の特徴とも言える、近未来高層都市ネオ東京を完璧に再現しているサウンド。
エスニックな民族楽器にシンセサイザー、さらに言霊を乗せることで、近未来、スピリチュアル、日本というテーマを見事に一つの音楽の中で再現。さらに当時の最先端マシーンを使う事で、映画の、どのシーンにもはまるように作られている。

ひとまず聴いてもらいたいのが「金田のテーマ」。

映画の冒頭で「金田」や「鉄男」達がバイクで出かけるときに使われているのだが、聞いた事のない音に対する妙な違和感が映画内での背景と異様にマッチングしている。
これは同じ要素でマッチしているというよりは、背景とサウンドのお互いに表現しきれない部分が巧く重なり合って、立体的に世界観を作り出しているからだと感じる。

私は映画評論家ではないが、今まで見たことのある映画であれば、ディズニーとミュージカルものを除いて、ここまで音楽が前に出てくるモノは見たことがなかった。サウンドはほぼ背景「バックグラウンドミュージック」として使われるものがほとんどだったように感じる。

しかし、この「AKIRA」でのサウンドは、背景を完全に超え異様な存在感があった。これは一つ考えられるのは、超能力という特殊な現象を描くために、視覚的に入るヴィジュアル要素よりも、聴覚に刺激を与えるサウンドを使用。それにより、脳に直接、超脳力をイメージさせるのが狙いじゃないかと思う。

仮に実際、目の前で「超脳力的現象」が起きれば、それは視覚するより「体で感じる現象」になると想像できるからでもある。

さて、真意は定かではないが、このサウンドトラックの効果は絶大で、映画世界の「AKIRA」の世界の空気となってこちらをトリップさせてくれる。

そんな「AKIRA」ワールドのサウンドトラックを担当していたのが「恐山」等で知られる芸能山城組。民族音楽を題材に音楽を制作しており、文明批判をテーマに活動している。

組頭 山城祥二氏いわく 16ビートは人間のDNAに刻まれているビートで、過去にも未来にも普遍的なものである。
くしくも彼らが題材として用いた自然民族や日本の能などは、16ビートを持っており偶然の必然だったのか「AKIRA」のサウンドとして完璧に演出する事になった。

より詳しくは、こちらの映像で確認できる。録音方法や当時の最近の技術、「AKIRA」サウンドに対する考え方など是非みていただきたい。

個人的にこのサウンドトラックの中で気に入っているタイトルはこちら。「鉄男」、「ぬいぐるみのポリフォニー」、「唱名」。

Amazonで買えます!!


Akira: Original Soundtrack